昨年(2015年)3月22日に、川西市主催の「ふるさと川西 景観フォーラム」で講演とパネルディスカッションを行いました。 このイベントに関して、忘れてしまわないうちに記事にしておこうと思いつつはや10か月、ようやく時間が取れたので少し書いておくことにします。
講演の後半では、再開発映画の短縮版を上映しました。宝塚映画社に依頼してこの映画が撮影されていたことは『川西市再開発事業誌』の巻末に書いてあり知っていたのですが、今までは所在不明とのことでした。これを担当の方が発掘して下さり、多くの参加者の方に映像を届けることができたのは幸いだったと思います。 映画の大半はアステ川西の建設記録としての映像で、合間には再開発前の風景もかなり入っていたので、四半世紀とちょっと前の「空気感」を思い出すには十分の見応えあるものでした。 鉄道関係では、阪急川西能勢口駅(地上時代)ラッシュアワーの風景、能勢電の国鉄前連絡線の走行シーン、および川西池田駅でのDD51牽引普通列車の映像と改札風景が含まれていたのが貴重です。
フォーラム後半はパネルディスカッションでした。私自身は前半で集中力をかなり使い果たしたのと、短い持ち時間のプレッシャーとで、事前に打ち合わせた進行を一部すっ飛ばしてしまい、コーディネータの日野先生にはご迷惑をかけてしまいました。
町の景観というテーマについては、個人的には昔から美観とか建造物保存の点から意見を持っているつもりでしたが、改めてこういう場で何か建設的なことを言うということの難しさを知りました。結局、歴史的な経緯が景観に影響を与えてきたことを鉄道を通して知ってもらうだけでも十分であって、その上で、現状がどうなのかという点については、参加された人それぞれに委ねるという形に持っていけたのではないかと思います。
私にとってこのフォーラムで得た収穫は、一つは上に書いた再開発映画を観ることができたこと、そして予想外に嬉しかったのはフォーラム後にいただいた参加者の方からの情報でした。ありがとうございました。
そのほか、慌ただしくしていて私はゆっくり見る暇がありませんでしたが、会場後ろには昔の町並みの写真多数(ほとんど初見のものでした)が現在の同一地点の写真と並べられ、比較できるようにして張り出されていました。 場所の比定も正確で、このような展示に仕上げるには手間がかかったのではないかと思います。
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